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2017年10月1日

発酵と腐敗 そしてバクテリア

 

今日の話は、以前某所でパネラーとしてお話させて頂き、少し反響があった内容です。

 

では始めます。

 

僕が日常生活や山の仕事の中で意識している概念として「発酵と腐敗」と言う枠組みがあります。

 

唐突に分かりやすい例えを幾つか出します。

 

・ぬか漬け

ぬか床を定期的にかき混ぜると言う行為をする事で漬物は発酵が進みうま味を増していく。逆に放おっておけば腐敗というマイナスな結果を招く。

 

・仕事

頼まれた仕事は即時処理が基本。早い反応をする事は相手を安心させ、自分にも後に入ってくる仕事を処理する心理的・時間的余裕を与え、その後の時間の流れはプラス(発酵)方向へ。 一方、その仕事にすぐに手を付けないならば、マイナス(腐敗)方向に時間は流れます。期限ギリギリでの反応では、相手への心証も悪くなるだろうし、放ったらかしている間に忘れてしまったり、もっと早く手を付けておけば修正のしようもあったのかもしれませんが、ギリギリになってから手を付ける仕事が完成度高く仕上がる訳もありません。


・洗濯物

休日の朝あなたはベッドで気持ちよくまどろんでいる。夜のうちにセットした洗濯機のタイマーが洗濯終わりを告げる音が聞こえている。外は晴れ。でも出来たらこのままもう少し寝転んでいたい。しかしここで、干すと言う行為をすれば、衣服は太陽を浴び乾く時間の流れに乗る。逆にしなければ、限られた太陽が味方をしてくれる時間を浪費しながら衣服はジメジメしたまま洗濯槽の中に置かれ、やがてはカビて行く。

 

・連絡

あなたは外出している。家で待つ奥さんに「少し遅れるけど何か甘い物でも買って帰るよ」など一本の電話を入れる行為。その行為で奥さんは納得し、うまくすれば機嫌は上がるかもしれないし、マイナスに進む方向を軽減できる可能性はある。逆にその連絡をしなければ奥さんのイライラは増し悲劇しかあなたを待っていない。

 

・たこやき




あの広い鉄板の上、せっせとたこ焼きをクルクルしている職人さん。「このゾーンを今、返す」「この面は触らず、火を通す」。彼が腰に手を当て、ひと息つけるのは鉄板上の全てのたこ焼きを「発酵」の流れに乗せてからだ。たこ焼きを焼く行為は「今する、今しない」をかなり早いペースにおいて行き来している分かりやすい例かもしれない。

 

このように、現在から未来へ流れる時間の中で、今した行為がその先、対象物に対してどのような変化を生じせしめるか? 
する事・しない事、作為・不作為によって、その後の時間がその対象物をプラス(発酵)に向かわせるのか、マイナス(腐敗)に向かわせるのかという考え方です。

 

為すべき時に  為すべき事を  適切に行う事 の大切さを教えてくれる概念で、
「時を読む事」や仕事の順番を組む事、またその行為をいつすべきなのかを判断するのにとても役に立ってくれています。

 

その行為を今するべきなのか、するべきでないのか? 迷った時に思い出してみて下さい。

 

この概念はこと林業にもピタリと当てはまります。


間伐の必要性は論を俟たないところですが、今間伐をするという行為によって、その後の時間経過で残った木はすくすくと育ち、発酵の流れに乗ります。放置すれば山は荒れ土砂災害、木の不生育など腐敗が進むだけの結果に流れていきます。

 

僕らきこりが日々行っている間伐という作業は、山や木々にとっての発酵を促す行為だと捉えています。

 

発酵と腐敗を司る主役はバクテリア(微生物)の精妙な働きに因るのですが、マクロでみれば、僕たちは山の微生物そのものなのかもしれません。

山の中でチョコチョコと動き回り、僕達が通過したあとの山は良い環境が整って行く。それは土壌の中で土を豊かにしていく微生物群や腸内環境を整える細菌群の働きの様だと感じています。

僕達のような山に関わる人が活動し続けてさえ行ければ山の健康は担保されます。まっとうな林業会社が存続さえして行ければ、関わる自然や人にプラスの影響を与えることが出来る。

 

微生物が死に絶える時、その宿主も腐敗しやがて共倒れるのです。


ですので、会社を生き長らえさせるために最大限の努力を惜しまず、
これからも、微生物のように日々淡々と自らの為すべき事を続て行こうと思います。

 

本日も最後までお読み頂き有難うございました。


今、とにかくこれを推してます。
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とよ拝

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