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2017年6月15日

山で働くということ3_ 間伐って何か

前記事・・・・・「山で働くということ 1」  林業って必要なのか

        「山で働くということ 2」 山が与えてくれるもの

 

今回は、間伐にフォーカスしお話を進めます。

間伐の意義→それがどう山の健全性に繋がるかという流れを意識して読んで頂けたら幸いです。

 

日本の山の4割はスギだとかヒノキだとか真っ直ぐ伸びるいわゆる針葉樹が植えられています。

自然に生えてきたのではなく、植えられたものです。

 

このように人が植えたり育てたりしている、畑みたいな山を「人工林」と呼び、今回はこの「人工林」の間伐をテーマとし論を進めます。

 

 

いきなりで申し訳ありませんが、10m×10mのスペースを想像してみて下さい。

ちなみに路線バスの車両の長さが大体10mです。それを4台正方形に並べてみましょう。

 

では、そのスペースにヒノキの苗木を植えましょう。

最初の植栽の段階でこの広さのスペースに何本植えると思いますか?

 

300本植えます。

 

次にそのスペースに神社で見るような太く大きく育ったヒノキが何本入るでしょうか?広く伸びる枝や根も含めて想像してみましょう。

 

5本入れば良いほうです。

 

300本から最終的には5本程度に。

 

木の成長に合わせ、段階的に残った木に枝と根を張るスペースを確保してあげるのが間伐です。畑の言葉では「間引く」と言いますね。

人が小さい体から成長して成人となるように、木も成長します。
成長するのに必要な栄養素は、枝葉からの太陽光と根からの水分です。

成長期にその枝葉と根を思う存分伸ばせなければ、それは木という生命の理に沿いません。
成長できない弱々しい木が立ち並ぶ多数で限られた栄養分を取り合う状態に置かれます。


限られたスペース、すぐ隣には隣人、窮屈すぎます。
少しでも多くとギリギリまで枝葉を伸ばすものだから、太陽からの光は地上に届くこと無く枝葉のところで遮られてしまいます。
林内は真っ暗です。地上にも光を待っている生物達が待っているのにも関わらず。
それは、草であったり灌木であったり、呼吸する土壌であったり、虫であったり、バクテリアだったり。
生態を豊かにする生き物たちです。

 

根が広く張れないということは、土を掴めないと同義です。

逆に、根が複雑に広く伸びるのならば、地中に空隙が生じ、大雨の際に水を一時的にストックしておくスペースとして機能し、
土を固定する力が強いという事は土砂災害を抑制し、強風にも大雪にも屈しない強いスタンディング力を持つという事になります。
保水力と土壌固定と言う機能を十分に果たす状態です。

プラス、枝葉の間が空いていて適量な光が地面に届くならば、草や灌木が育ち、彼らも保水力・土壌固定力を発揮してくれます。

 

 

記憶に新しい広島の地滑り。台風や大雪による一斉倒木。間伐が適切に行われていない結果、山が持つ機能を十分に発揮出来ていないがために起こる災難と言えるかもしれません。

 

 

では、話は最初に戻ります。300本→5本の箇所です。300も本植える意味がわからないと思います。
最初から5本だけ植えときゃ良いだろうって考えますよね?






説明します。

 

答えは、木がまっすぐ育たないからです。曲がった柱、曲がった床なんて需要がないからまっすぐな木を育てたいんです。

 

 

都内のラッシュアワーの電車では人々はギュウギュウです。みんな直立です。

一方田舎では。 座れるし、好きな体勢を取れるスペースがあります。

まっすぐな都会電車と、思い思いの体勢を取れる田舎電車。

人を木と置き換え想像してみますと、、、

材木を育てるという意味においては、木としては最初の成長段階で真っすぐ伸びる事を方向付けなくてはいけないのです。

若い時にとてつもない自由度があると行きたい方向にフラフラくねくねと育ってしまいます。
材木としては用を成しません。

ある程度、自立し、真っ直ぐ伸びるという慣性がその木に備わる段階に来れば、もう必要なのは直立する強制力ではなく、
個を伸ばすために必要な枝葉と根を張る「スペース」となるのです。

 

「スペース」を作るために混み合った木を伐る事。これが間伐です。

 

間伐により作られた「スペース」に残った木は根を深々と、枝葉を広々と、地表にも光が届き、
スギやヒノキ以外の植物やバクテリアなどがアクティベートされます。
生態が豊かになり、土砂災害、風害、雪害の強インパクトを吸収する事ができる
強くしなやかな山になります。

 

木材の利用という観点から見れば、間伐により伐られた木は安くとも売ることが出来ます。
野菜で言う「抜き菜」にあたります。 その売上で僕達きこりの生活が成り立ち、その木が建築材や紙、バイオマス発電を経て電力利用されてゆき、

更に強調したいのが、

木材という資源が、植えればまた育てることが出来る

再生可能資源という点です。

 

どうでしょう? 資源としての木について、またそれを育てる山と言うフィールドが持つ有益な機能についてご理解いただけたでしょうか?
即自然的なサイクルが人の手によって維持され、上手く回っていれば、理想の循環だと思えませんか?
逆に手入れが成されなければその有益な機能は損なわれ、かつ甚大な災害にも繋がります。

間伐と山の健全性が一本の線として繋がりましたか?

 

 

しかしながら、ここで現状を確認します。
日本の山の4割にあたる「人工林」は間伐が必要なのに間伐がなされないまま放置されているところがほとんどです。

 

理由を知りたいですか? 今知りたいですか? 次回にしますか?

 

次回にします!


次記事・・・・・「山で働くということ 4」 間伐されぬ山 

今日も最後までお付き合い頂き有難うございました。

 

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